キーノートスピーカーのセレクションが良かった

基本的な会議の流れは、ライフサイエンスの研究者のトークがいくつか連続して、その間に可視化全般の話題を扱うキーノートをはさむと言う感じ。visual complexityのManuel Lima、Many Eyesを作ったグループなど、示唆に富んだ話を聞く事ができた。

参加者が増えた

実験的に開催されたのが去年で、今年は第二回目。前回はハイデルベルク(ドイツ)、今回はボストン(Broad Institute。MITのあるエリア)と言う違いはあるが、参加者は130人程度から200人超へと増えた。ポスターの内容を観ている限りでは、若干メディカルイメージング等の分野の人は減った気もするが、全体的には幅広い分野からの参加があった。

Vizbi 2011全体の感想

昨年に引き続き(昨年の分も結局まともに書いていない!)Vizbi 2011と言う、生物学分野に特化した可視化の学会に参加してきた。ワークショップ三日、チュートリアルが一日と言うスケジュールだったが、ワークショップ三日が終わった時点での全体の感想をまずメモ。

詳細、気になった点などは順次書き加えていく。

VIZBI: EMBO Workshop on Visualizing Biological Data

もうずいぶん時間がたってしまったが、3月上旬にドイツのハイデルベルクで開催されたVIZBIと言う生物学系のデータ可視化に関するワークショップに参加してきた。情報の可視化に関する学会と言うのは様々なものがあるが、生物学のデータに的を絞ってのワークショップと言うのは珍しい(初めて?)と思う。現代的な建物から成るEMBLの中でも一番新しい、ニューヨークのグッケンハイム美術館を彷彿とさせる螺旋のスロープが建物全体を貫くホールで行われ、色々と刺激的な話を聞くことが出来た。

生物学情報の可視化

今後の問題

(作成中)

OSS開発プラットフォーム

ホスティングに関しては色々とうちのプロジェクトでも試行錯誤していて、多分Java系の開発では、以下のような組み合わせが可能なフリーホスティングがあれば凄く便利なのにね、という話をしている。

  • ソースコード管理: Subversion
    • まあ色々と異論もあるでしょうが枯れているという事で。
  • ビルドツール: Maven
    • 周辺環境も整っているので、今からやるならAntよりもこっちかな。
  • 継続的インテグレーション: Hudson
    • 後発だけあって色々と便利だし、元々の開発者は日本人の方なので、日本語を使う人にもうれしい。
  • 静的コード解析ツール: Sonar
    • 解析結果がグラフィカルでとても見やすい。他のツールとの相性も割といい。
  • 成果物のデプロイ: Nexus
  • プロジェクト管理: Trac or Redmine
    • まだどちらの方がいいか完全に判断がつかないが、チケット駆動の開発は、地理的に離れたチームのコラボレーションには非常に相性がいい。
  • ドキュメント共有とメーリングリスト: Google Docs & Groups
    • モノによってはWikiで共有するよりこちらでやった方が便利な場合がある。

同じような意見の人も居るようで、この辺りの記事が詳しい:

この辺りのツールは次から次へと出て来るので、なかなか覚えるのが面倒だが、色々なプロジェクトで揉まれた結果がフィードバックされてどんどん便利になっているので、バザール的/テスト駆動的なアプローチで開発したい方は、覚えておいて損は無いと思う。


余談だけど、GSoCに関して、来月5日に南カリフォルニア在住の日本人開発者向けの集まりで発表をするので、もし付近にお住まいの方が居たらぜひ。詳細はこちらでお知らせします:

オープンソース開発者のお祭り


もう先月になるが、今年もGoogle Summer of Code(以下GSoC)のメンターをやった関係で、メンターサミットと言うUnconference形式の技術系会議に行ってきた。これはGSoCに参加したプロジェクトのメンターが集まり、最近の技術動向や他のプロジェクトの交流を行う機会で、Googleがスポンサーとなり旅費等を出してくれる。参加しているのはApacheMozillaと行った大手から、ウチのような比較的特殊な分野のプロジェクトまで、あらゆる分野のオープンソースソフトウェア開発者が一同に集まる会議で、こういったイベントは他にはあまり無いと思う。そういった特性を生かして、Linuxの各ディストリビューションの代表が集まって議論をしたり、プロジェクトを維持してゆくための問題点をお互いに出し合って情報交換をしたりする。しかし、基本的にはお祭りのようなモノで、ただひたすら他のプロジェクトの人々と、Google社内のタダのドリンクでも飲みながらダラダラしゃべっているのでもかまわない。

基本的には殆ど何も決めずに皆が集まって、初日に議論のトピックを出して、それをもとに部屋割りや時間を決めて、各自自由に集まりディスカッションをする。OSSプロジェクト運営のノウハウだったり、並列プログラミング、新しいマルチタッチ等のUIの活用と言った技術的なものもある。色々と興味深いディスカッションも多かったが、プロジェクトホスティングに関するディスカッションは割と興味深かった。SourceforgeGoogle Code、GitHubと言った様々なホスティングサービスがあるにも関わらず、その場に集まった中では、半数を超えるくらいのプロジェクトが自前でホスティングをしていた。何故か、と言う理由に関しては、

  • 自分の好みのバージョン、ツールの組み合わせが出来ない
  • (一部のサービスは)遅い
  • やっぱり自分で全部自由にいじりたい

その他にも、Sourceforgeトラフィックの半分くらいはWindows向けP2Pクライアントとかゲーム系アプリのダウンロードで占められているとか、そういった裏話も聞けた。